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128号 フェラーリ275GTB
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◆クラシックカー、スーパーカー総合研究所◆ 第128号
発行日:2010年4月21日
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このメールマガジンではバリバリ売れ筋のフィット、環境に優しいセレナ
などの現行一般受け自動車には目もくれずに、
輸入車、さらに一歩突っ込んでクラシックカー、スーパーカーを皆さんと一緒
に紹介、再考していこうという物です。
紹介するのは
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'70年代までをメインとしたマニアックなクラシック、ヴィンテージ車、
'70年代半ばからブームになったスーパーカー達、
さらに'90年代から現在に至るまでのハイパフォーマンススーパースポーツ、
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・・・などなど、
一部日本の旧車も交え、総じて言うと『コレクターズカー』と呼ばれる古くな
っても価値を見出されて、解体にならない名車を取り上げていきます。
<<過去の紹介車種>>
●ケンメリGT-Rからピンツガウアーまで、
様々な車輛のバックナンバーの画像はこちら
→
http://www5b.biglobe.ne.jp/~atc/backnumber.htm
【ご挨拶】
皆さんこんにちは。
ゴールデンウィークも目前ですね。もう楽しい計画はお決まりでしょうか?
今年の桜は息が長い、と各方面から聞きました。
私の地域でも葉桜とは言え、4月下旬でまだ桃色が見えていますので、確かに
長いようです。(もっとも、東北・北海道はこれからが本番のようですね)
桜の季節は気候もドライブ日和だったり、散り出した街道を疾走すると桜吹雪
が舞うサマが気持ち良かったりで好きなんですよ。
これからの季節にも期待でワクワクしますよね♪
さて、今号本編ですが前回のエスコートRSコスワースに引き続き、土井さんか
らです。
今回はフェラーリの原稿を頂きましたm(_ _)m
『馬』だけにこの時期「サクラ」繋がり、ですかね♪
ご本人は長すぎる文章で恐縮だと言われていますが、ボリューム以上に充実し
た内容で読み応えアリです。
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■■■□ 第128回
■■□ 【フェラーリ275GTB】
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「スーパーカー」とは何か。
「スーパーカー」というカテゴリーには明確な定義というものが存在しない。
低く流麗なスタイリングで、大排気量マルチシリンダーエンジンをミッドマウ
ント、総革張りの豪華な内装を備え、公称300km/hの最高速度を誇るパフ
ォーマンスを備えたクルマたちのことを指すのだろうか?
私は「スーパーカー」をカテゴライズするにあたって2つのキーワードを挙げ
たい。
1つ目は「“GT”と“スポーツカー”それぞれの長所を両立する」
2つ目は「“ロードカー”としての商品性を高めたクルマ」
「GT」とは「グランツーリズモ」の略称であり、端的に言えば“長距離を速
く移動する為に高性能なエンジンを搭載し、高速域で安定するシャシー、十分
な快適性を備えたクルマ”と言っていいだろう。
対する「スポーツカー」は“カントリーロードで良好な運動性能を発揮するた
めに軽量で簡素なボディを持ち、より速く安定して走らせることを目的とし、
クルマを操縦することの愉しさを第一に考えられたクルマ”とは言えないか。
つまり「GT」はレーシングカー譲りのコンポーネンツ(高性能なエンジンや
サスペンション)を備え、「スポーツカー」はレーシングカー譲りのパッケージ
レイアウト(エンジン、ミッション、タイヤ等をどこに置くか)を備えていた。
俗に「スーパーカー」と呼ばれるクルマは“GT”と“スポーツカー”の長所
をそれぞれ備えたものであることはご理解頂けたと思う。
では2つ目の「“ロードカー”としての商品性」とは一体何か?
その前に、今回の主役である「フェラーリ」というメーカーを簡単に説明して
おく必要がある。
フェラーリはレーシングカーを設計・開発し、レースに勝つために設立された
メーカーだったが、レーシングカーをレースに参加させる為の膨大な費用を賄
うべく、古くなった型落ちのレーシングカーを売っていたのだ。
もちろんレーシングカーは大量に生産できるわけがないので、レーシングカー
のレプリカを売り始めた。
フェラーリが「自動車製造会社」となった瞬間であった。
1964年パリ・サロン。そんなフェラーリにとって大きな“転機”を迎える
ロードカー「275GTB」が誕生した。
何が“転機”だったのか?それはこのクルマが250GT系とは違い、フェラ
ーリのロードカーとして初めての“公道専用ベルリネッタ”だったからだ。
当然のことながらレーシングカーにとって快適性とは全く無縁のものである。
乗り心地の悪さ、車内の狭さと騒音や熱。
「“ロードカー”としての商品性を高める」にはレースで培われた革新技術を投
入し、第一級のパフォーマンスを維持しつつ、快適性も高いレベルに保たなけ
ればならない。
フェラーリは公道専用設計のベルリネッタ「275GTB」によって、この種
の高性能車はどうあるべきかを示してみせたのだ。
それと同時に、同社として初めてレーシングカーと全く血縁を持たない275
GTBの登場は「フェラーリ初のスーパーカー」の誕生を意味すると言ってい
いのではないかと私は思う。
その美しいスタイリングの中にフェラーリとしては初の試みであるいくつかの
新機軸が内包された次世代の2座ベルリネッタとしてデビューする。
まず観衆はバッティスタ・ピニンファリーナがデザインしたこのクルマのスタ
イリングに目を奪われたに違いない。
250GTルッソのエレガントなラインと違い、275GTBに与えられたデ
ザインは新世代のベルリネッタに相応しい圧倒的にモダンで力強いラインを特
徴としていた。
長いスロープしたフロントフード、ストリームラインが生かされたプレクシ・
グラスのヘッドランプ・カバー、小さなエアインテーク“マウス”、シャープに
カーブしたウインド・シールド、力強く隆起したリヤ・フェンダー、流れるよ
うなファスト・バックのルーフにコーダ・トロンカ処理のテール、フロント・
フェンダーとピラーの後ろに刻まれたエア・アウトレット。
美しいだけではなく、視覚的にも空力特性の良さを予感させる精悍でスポーツ
カーらしい緊張感を備えたスタイリングは、後のスポーツカーデザインに大き
な影響を与えたのである。
また、ボディの製作はスカリエッティが行ったが、フロントフード、トランク
リッド、ドアの開口部のみアルミニウム化されたものの他に、総スチール、総
アルミニウムの個体(※1)も存在しているようである。
275GTBの技術面でのハイライトは、フロントエンジン・リヤドライブの
駆動系、リヤ・サスペンションである。
5段トランスミッションはディファレンシャルと一体化された「トランスアク
スル・レイアウト」をフェラーリ・ロードモデルとして初採用し、良好な前後
重量バランスと駆動輪である後輪のトラクション性能を大幅に向上させること
に成功した。
リミテッド・スリップ・デフもオプションで用意されている。
64年~65年に生産された初期の275GTBにはクラッチとトランスアク
スルをプロペラシャフトでソリッドに繋ぎ、途中をローラーベアリングで支え
る構造を採っていたため、ダイレクトなフィーリングをドライバーに与える反
面、頻繁に調整や不快な振動を伴うため後に改良が施されることになる。
また、大きなセンタートンネルを必要としないトランスアクスル・レイアウト
を採用したことで、フット・スペースが拡大し快適性向上に一役買っている点
も見逃せない。
リヤ・サスペンションもリーフ・リジッドから新世代にスイッチ。フェラーリ・
ロードカー初の後輪独立懸架である。
不等長Aアームによるダブル・ウィッシュボーンにコイルスプリングとコニ製
のショックアブソーバーが組み合わされた。
スタビライザーも付加され、大きくなった排気量に対するロード・ホールディ
ング性能の向上と乗り心地の改善が計られている。
ブレーキはサーボアシスト付きのダンロップ製4輪ディスク、ホイールはカン
パニョーロ製アロイを装備する。
フレーム構造は250GT系から引き継がれた。楕円鋼管によるプラットフォ
ームにサブフレームを組み上げたスペース・フレーム構造である。
フロントにV型12気筒エンジンを積むクルマとしては短いホイールベース2
400mmという数値も250GT系と同じで、トレッドはF1377mm/R
1393mmに拡大された。
エンジンは1947年に最初に製作されたオリジナルの“コロンボ”の流れを
汲んだ最新型、Tipo213ユニット。
総排気量3285cc、60°V型12気筒SOHCで9.2:1の圧縮比、ウェ
ーバー40DCZ/6を3基与えられたことによって、最大出力280ps/76
00rpmと最大トルク30kg-m/5500rpmを発揮した。
このエンジンは1200kgとされる乾燥重量を持つボディを0→400mで
13.8秒、0→1600mを24.8秒という速さで引っ張り上げ、最高速度
は7100rpmで237km/hをマーク(某誌ロードテストに於いて)。
掛け値なしに当時世界最速級のスポーツカーであった。
275GTBは65年パリ・サロンにてマイナーチェンジを受け、セカンド・
シリーズに進化する。
いわゆる「ロングノーズ」とされ、高速域でのリフトを低減した。同時にトラン
クリッドの拡大(トランクスペース確保のためヒンジが露出)、リアウインドウ
の拡大、左右ツインの燃料タンク採用、アロイホイールのデザイン変更が行わ
れる。
駆動系にも改良が加えられた。プロペラシャフトに等速ジョイントが取り付け
られ、若干ながらも快適性の向上が計られたのである。
SOHCエンジンを搭載した275GTBは「ショートノーズ」「ロングノーズ」
合わせて約450台が作られている。(※2)
66年には275GTBの最終型「275GTB/4A」が発表された。
トピックはTipo226と呼ばれるこのエンジンにフェラーリ・ロードモデ
ル初の4カムヘッドとドライサンプ潤滑が与えられたことである。
Tipo226は最大出力300ps/8000rpm、最大トルク32kg-m/60
00rpmを発揮し、拡大されたエンジンパワーに対応するため駆動系もさらに
改良が加えられる。
エンジン/トランスアクスルを鋼鉄製トルク・チューブで連結し、散々悩まされ
てきた不快な振動やプロペラシャフトのストレスから開放されたのである。
拡大されたエンジンパワーと洗練された駆動系を持つに至った275GTB/
4Aは約300台が生産されたという。
275GTBは現代に続くフェラーリV12FRベルリネッタの礎になるモデ
ルである。
4輪ダブル・ウィッシュボーン形式のサスペンション、トランスアクスル・レ
イアウト。
これらのメカニズムは現代の最新ベルリネッタ、599GTBフィオラノにも
受け継がれ、そのエボリューションモデルたる599GTOはあのエンツォ・
フェラーリをフィオラノ・テストトラックで打ち破るほどの速さを見せるとい
う。
275GTBが採用していた64年デビュー当時のタイヤは現代のものとは較
べられないほどグリップが低かった。
そのタイヤで路面に安定してエンジンパワーを伝えるには、駆動輪である後輪
の荷重を増やすことが最も重要な要素であった。
現代のハイパワーエンジン搭載のFR車でも「非トランスアクスル・レイアウ
ト」であるクルマは存在するが(メルセデスベンツ・SLRマクラーレンなど)、
現代のハイグリップ・タイヤと優秀なトラクション・コントロールに頼らなけ
ればまともに走らせることすら難しいと私は思う。
頼りにしていたそのタイヤが擦り減ると・・・やはり物理の壁は越えられない。
フェラーリは後年ミッドシップ・スポーツカー作りにおいて「革命」をもたら
すモデルを発表している。
ディーノ206GTから変わらぬ横置きパワートレーンを受け継いだ308/3
28系に活を入れるべく、縦置きエンジン・レイアウトに自社開発の縦置きト
ランスミッションを搭載して運動性能の素質を高めた「288GTO」、縦置き
エンジンに横置きトランスミッションを採用し、パワートレーンの前後長を切
り詰め、極限まで搭載位置を低めたことで量産V8ミッドシップに革命をもた
らした「348tb」
トルク・チューブでエンジンとアクスルを連結する「トランスアクスル・レイ
アウト」はハイパワーエンジン搭載のFRにとって最も理想的で究極のレイア
ウトであり、275GTBをもって「FRフェラーリに革命をもたらした」と
言っても過言ではないだろう。
フェラーリは275GTBに於いて“ロードカー”としての商品性を、熟成さ
れたフロントエンジン車ならではの手法で高めることに成功している。
他社が経験のないミッドシップ・スポーツカーの開発において“ロードカー”
としての快適性や運動性能の両立にちぐはぐしていた隙に、フェラーリは27
5GTBをもって双方を見事に両立し、ミッドシップ車に真似できないフロン
トエンジン車の「快適性」を毎年のように改良し、磨き上げた。
フロントエンジン・リヤドライブという古典的なフォーマットにトランスアク
スル・レイアウト、4輪独立懸架というレーシングカー譲りの革新的技術の融
合。現代の洗練されたV12ベルリネッタに宿るのは275GTBの精神なの
である。
※1 コンペティションモデル275GTB/ Cは割愛
※2 「ショートノーズ」が2カム、「ロングノーズ」が4カムとされる記述の
文献は誤り。
(土井良太)
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土井さん、ありがとうございました。
いや~、ついに出ましたね、60’sフェラーリ。
前々号で書きましたが、私が一番好きなフェラーリは、250LM辺りで、アレは
ミッドシップでレーシングモデルと素性が全く違うながらも275GTBと時代は
近いです。
50~60年代のイタリアンは、ピニンファリーナに限らず多くがホントに素晴ら
しいスタイリングに興味が尽きません♪
275GTはレースカーとの比較だとさすがに迫力欠けますが、派手ではないけど
纏まった美しさがある、といった感じでしょう。
土井さんが書いてくれたようにロードカーとしての素晴らしさから、当時のセ
ールスとしては成功を収めたモデルと言えます。
これは現代においても評価も人気も高く、市場に出れば安くても6000万円~、
売主次第で軽く1億超えもあるようなシロモノです。
入手難易度は 「★★★★☆ 4.5」と言った感じでしょうか。
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◆◆◆ヤフオクぶらり漫遊記♪
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ここでは名品、珍品の巣窟と言われるヤフーオークションの出品物を幾つか取
り上げてみたいと思います。
ドラえもん仕様 87yカレラ おまけ付
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f91622713
今回は本編にボリュームが有ったのでこのコーナー無しで、とも思ったのです
が1台だけご紹介します。
タイトル見る → URLクリック → 写真で思わず笑う
という流れになるかと思われます。
いわゆる最近流行りの『痛車』ではないところがポイントです。
ホントは硬派な車なんですけどね~・・・
●●━…━…━…━ あなたも書いてみませんか? ━…━…━…━●●
この手の「この1台!」はそれぞれ思い入れの有るオーナーやマニアなど
皆さんが知識、経験など勝っているモノです。
あなたの愛車のバックグラウンドやウンチクを原稿として書いて見ませんか?
もちろん憧れの車や興味のある車種でも結構です。
好き嫌いや故障しがちな弱点、クセなども含めて頂けると面白いですね。
◇現在もれなく寄稿に対してプレゼントあります!◇
なにぶん物が物だけに書籍によって情報が違ってたりという事もよくあります。
双方向でお互いに情報交換や指摘、手助けなどが出来るメールマガジンになれ
ばいいなと考えています。
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